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ASTRO-F衛星の概要概要
ASTRO-F衛星は、液体ヘリウム及び機械式冷凍機を用いた冷却望遠鏡とそれを維持するクライオスタットから成るミッション部と、姿勢制御やデータ送受信などを受け持ち衛星を維持するためのバス部から構成されます。クライオスタットへの熱流入を極力小さくするために、ミッション部とバス部は独立した構造を持っています。衛星全体の高さは約3.7メートルで、総重量は952kgになります。
衛星に電力を供給するソーラーバドルは軌道投入後に展開されます。また、打ち上げ前には、望遠鏡を真空に保ち、余計な光が入らないようにするために、望遠鏡には蓋(アパーチャーリッド)がされています。この蓋は軌道で姿勢が確立した後、観測開始前に放出されます。 ASTRO-FはJAXA宇宙科学研究本部のM-Vロケット8号機によって打ち上げられます。打ち上げは2006年初頭(2005年度冬期)を予定しています。打ち上げ後の観測運用は基本的に相模原管制センター(SSOC)および内之浦宇宙空間観測所(USC)において行われます。
望遠鏡
ASTRO-Fの望遠鏡はF/6.1のリッチー・クレチアン(Ritchey-Chretien)式の光学系です。望遠鏡の焦点距離は4200mmで、主鏡の有効口径は68.5cmです。観測時には望遠鏡全体が極低温まで冷却されます。これは観測にじゃまな望遠鏡自身からの熱輻射をできるだけ抑えることが目的です。 望遠鏡は鏡(主鏡・副鏡)のほか、副鏡を支えるトラス(truss) や迷光を防止するバッフル(baffle) などから構成されています。トラスの材質は軽量で熱伝導の良いベリリウム(Be)が使用されました。
主鏡の材質は軽量で丈夫なシリコン・カーバイト(SiC)で、さらに軽くするために裏面が大きくくり抜かれた構造になっています。これにより、直径が71cmもあるにもかかわらず、その重さは約11kgという軽量化を実現しています。SiC鏡が宇宙を飛ぶのは世界でも初めての例になります。 主鏡の表面は、赤外線の反射率を向上させるために金(Au)でコーティングされています。
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クライオスタット:低温容器 ソーラーパドルの幅は展開時には約5.5mになります 観測時の望遠鏡温度は通常5.8K(摂氏-267.4度)です 熱輻射:すべての物質がその温度に応じて放射している電磁波 迷光:散乱光など、光学系の設計どおりの経路を経ないで焦点に届く光 |
クライオスタット
クライオスタットのタンクには超流動液体ヘリウムが170リットル(打ち上げ時)積まれ、望遠鏡をはじめ、検出器等、観測装置全体を極低温に冷やします。 クライオスタットには液体ヘリウムのほかにスターリングサイクル機械式冷凍機が搭載されています。機械式冷凍機の搭載により、液体ヘリウムの寿命を延ばし、宇宙へ運ぶヘリウムの量を少なくすることができました。ASTRO-Fは液体ヘリウムと冷凍機を併用することで、約1年半、極低温状態を維持しながら観測を行います。
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観測装置のうち最も低い温度になるのは長波長側の遠赤外線検出器で、温度は 2K (摂氏-271.2度)です |
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