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あかり(ASTRO-F)衛星 > 最新情報バックナンバー
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最新情報バックナンバー「あかり」超新星残骸に一酸化炭素を検出 (2012年2月)秋から冬の夜空にWを描くカシオペア座の中にあるカシオペア座Aは、我々の銀河系でもっとも最近(約330年前)に起きた超新星爆発の残骸と考えられています。地球から約1万1千光年のところにあるこの天体は、3千万度という非常に温度の高いガスに満たされていることがX線の観測で知られていました。今回「あかり」はこのカシオペア座A超新星残骸に多量の一酸化炭素のガスが存在することを発見しました。
「あかり」が捉えた宇宙最初の星の光 (2011年10月)赤外線天文衛星「あかり」が波長1〜4マイクロメートルで空の明るさを観測し、既知の天体では説明できない大きな明るさのむら(揺らぎ)があることを見いだしました。これはビッグバンから約3億年後に宇宙で最初に生まれた星(第一世代の星)の集団に起因するものと考えられ、これまでほとんど知られていなかった宇宙初期における星生成活動の解明に重要な貢献をなすものと考えられています。この結果は11月1日発行のアメリカの学術雑誌 The Astrophysical Journal に掲載される予定です。
星空の砂金採り 〜 「あかり」による世界最大の小惑星カタログ (2011年10月)赤外線天文衛星「あかり」全天サーベイ観測の膨大なデータから、砂金採りのように小惑星の存在のわずかな形跡を1つ1つ探し出し、小惑星カタログが作られました。このカタログには小惑星5120個が掲載されており、小惑星の大きさを収録したものとしては世界最大のものです。日本の天文衛星によって世界中の研究者が参照するデータベースを提供するという意義は大きく、小惑星の詳細な研究が国内外でさらに発展することが期待されます。
「あかり」宇宙からの謎の遠赤外線放射を検出! (2011年8月)赤外線天文衛星「あかり」が、銀河系の外側の宇宙の明るさ(宇宙背景放射)を観測した結果、謎の遠赤外線放射を検出しました。 銀河系外の宇宙は、宇宙の果てまでの膨大な数の銀河の光が合わさって、ぼんやりと光っているはずです。遠赤外線では、これが宇宙背景放射のすべてと考えられていました。ところが、「あかり」が観測した宇宙背景放射は、銀河の光を合わせた明るさの最新の予想値よりも、2倍も明るいものでした。観測データを詳細に分析したところ、宇宙初期に作られたブラックホールからの放射など、未知の放射で照らされている可能性が出てきました。この観測結果は、宇宙初期の天体形成や銀河進化の研究に重要な手がかりとなるかもしれません。
「あかり」観測運用終了のお知らせ (2011年6月17日)「あかり」は2006年に打上げられてから、目標寿命3年を大きく越える5年以上にわたって全天サーベイや22000以上の指向観測などの観測運用を行い、多くの成果をあげてきました。「あかり」は昨年5月以来、冷凍機性能の経年劣化により観測を中断し、冷却性能の復帰運用を続けてきました。しかし、2011年5月24日に発生した電力異常による影響で、通信や姿勢制御等の衛星運用の制約が大きくなり、科学観測を再開することが困難な状態であるとの判断に至りました。今後は衛星の制御をできるだけ取り戻し、衛星運用の安全な終了をめざします。 これまで「あかり」をご支援いただいた皆様に感謝いたします。 「あかり」プロジェクト リンク :
「あかり」が描き出す赤色巨星の塵の衣 (2011年3月)赤外線天文衛星「あかり」が、赤色巨星を取り巻く塵(ダスト)の衣を、これまでにない精度で観測した結果が、欧米の天体物理学の専門誌に相次いで発表されました。この塵の衣は、太陽のような星の終末の姿である赤色巨星が、自らの物質を放出して作ったもので、その中には、星の内部で作られた炭素などの元素が含まれています。「あかり」は、地上からは観測できない遠赤外線や、世界で初めての中間赤外線による観測を可能にし、星からの塵やガスの放出が、いつどのように行われたかを克明に描き出しました。今回の一連の研究は、我々の体や身の回りのものに含まれる炭素などが、どのような仕組みで供給されてきたのかを知るための、重要な手がかりとなっています。
赤外線・X線で探る超新星残骸での宇宙塵生成:火の玉から誕生する生命の素 (2011年1月)赤外線天文衛星「あかり」とX線天文衛星「すざく」による「(通称)ティコの超新星残骸」の観測は、超新星の爆風と星間物質が衝突する様子を明らかにするとともに、核融合暴走型(Ia型)超新星残骸から放出された物質中で塵(固体微粒子)が生成されている可能性を世界で初めて示しました。惑星の原料ともなる塵が、超新星爆発に伴ってどのように作られ、また壊されるのかは、いまだに全容がわかっておらず、非常に貴重なデータです。
A&A誌 特集号に「あかり」の成果 (2010年5月3日)ヨーロッパの最も代表的な天文学・天体物理学分野の論文誌「Astronomy and Astrophysics」(天文学および天体物理学、略称 A&A)は、2010年5月に発行される号で、「あかり」の科学的成果を特集しました。発表されたばかりの「あかり」の全天観測に関する論文や、太陽系の天体から遠方の銀河まで特定のターゲットに限定した観測に関する論文など、さまざまなトピックスにまたがる17件の論文を掲載しています。 『Astronomy & Astrophysics』プレスリリース (日本語訳) 『Astronomy & Astrophysics』誌 特集号目次 (外部リンク) 新世代の赤外線天体カタログ、日本から世界に公開へ (2010年3月)赤外線天文衛星「あかり」が観測した約130万天体にも及ぶ赤外線で輝く天体の情報を集めた「赤外線天体カタログ」が、世界の研究者に向けて公開されました。これは今後の天文学の進展に大きく寄与する日本発のデータベースとなります。「あかり」赤外線天体カタログからは、すでにプロジェクトチームメンバーによる研究により、いくつかの初期成果が得られています。これらの初期成果もあわせてご紹介します。 「あかり(ASTRO-F)」の成果について(2008年11月)「あかり」の最新の成果をお届けします。全天を遠赤外線と中間赤外線でくまなく観測したデータから、赤外線で輝く天体のカタログ(住所録)の初版が完成しました。また、特定の天体を詳細に観測したデータの解析が進み、その科学的成果の一部が、本年12月に日本天文学会欧文報告雑誌の「あかり特集号2」として刊行される予定です。今回はその中から、年老いた星や超新星と、宇宙空間に漂うガスや塵(星間物質)との間で起きる様々な興味深い営みに関する、三つの研究成果について報告します。 「あかり」が見た近傍銀河の星生成領域と宇宙の果て(2007年9月)9 月5 日、名古屋大学において、遠赤外線サーベイヤ(FIS)の初期成果として近傍銀河 M101 の観測と遠赤外線深宇宙探査について発表しました。本発表内容は、9 月26 日より岐阜大学で行われる日本天文学会 2007 年秋季年会、および欧文研究報告(「あかり」初期成果特集号)で発表予定のものです。なお、「あかり」の FIS による観測は、日本時間8 月26 日夕方、成功裡に終了しました。 小惑星探査機「はやぶさ」が旅立った後の小惑星イトカワの観測に成功!!(2007年8月)小惑星探査機「はやぶさ」は、今年の4月下旬に地球に向けて小惑星イトカワから旅立ちました。それから約3ヶ月後の2007年7月26日、その小惑星イトカワを赤外線天文衛星「あかり」が撮影する事に成功しました。図は、「あかり」の観測装置の1つ、近・中間赤外線カメラによる、波長7マイクロメートルでとらえたイトカワです。わずか12分間ほどの観測中に、小惑星イトカワが画面の中を移動しているのが分かります。 観測開始から1年、「あかり」が見た宇宙 (2007年7月)2006年5月に本観測を開始した「あかり」は大きなトラブルもなく順調に観測を進め、一年が経ちました。この間、二回にわたって全天を観測し、90 %以上の領域を二回以上観測する事が出来ました(確実に天体を観測するため、我々は二回以上観測する事を条件としています)。全天を赤外線で観測するのは、1983年に打ち上げられたIRAS衛星以来。そして「あかり」はIRASよりも数倍詳細な宇宙の地図を作製する事ができます。このようは観測は今後もまずないでしょう。 今回発表するのは、全天サーベイデータから作成した、赤外線で見た宇宙の姿です。
「あかり」が見た星生成領域、終末期の星、超新星残骸、活動銀河核、遠方銀河 (2007年3月)昨年2月に打ち上げられた日本初の赤外線天文衛星「あかり」は、現在も順調に観測を続けています。今回、「あかり」の観測から得られた初めての科学的成果が、日本天文学会春季年会で発表されることになりました。その中から、銀河系内での物質進化のそれぞれの過程を研究した、星生成連鎖、超新星残骸、及び赤色巨星からの質量放出の観測と、遠くの銀河での中心にあるブラックホールをとりまく星間物質の研究、生まれたばかりの銀河を赤外線で探して銀河の進化を調べた研究など、5件の研究内容について紹介します。今回は、「あかり」に搭載された観測装置の一つ、近・中間赤外線カメラ (IRC) によって得られた成果を中心に紹介します。 銀河の生い立ちに迫る - 大マゼラン星雲の赤外線画像を公開 - (2006年11月)赤外線天文衛星「あかり」は、全天にわたる宇宙の赤外線地図作成のための観測を続けています。今年5月に本観測を開始してからほぼ半年が過ぎ、11月初旬には第一回目の全天観測を終えようとしています。この観測の中で、銀河の生い立ちを調べる上で重要な観測対象である「大マゼラン星雲」の多彩な姿を、赤外線の多くの波長帯で高分解能で捉えることに成功しました。 「あかり」がとらえた星の誕生と死 (2006年8月)赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)は、赤外線を放射する天体を全天にわたって観測し宇宙の赤外線地図を作成するミッションを順調に続けています。この観測の中で「あかり」が新たに取得した、星の誕生と死に関する赤外線画像を公開しました。 観測成果 (散光星雲IC1396および渦巻き赤色巨星うみへび座U星の赤外線画像) 「あかり」初期成果を公開 (2006年5月)赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)は、4月13日の望遠鏡開口部の蓋開け後、観測装置全系への電源投入と機能・性能確認、望遠鏡の焦点調整、姿勢制御系の調整等を順調に行ってきました。このたび、望遠鏡と2つの赤外線観測装置について、軌道上で期待通りの性能が発揮されていることを確認し、本観測を開始しました。また併せて試験観測で取得した高解像度、高感度の赤外線画像を公開しました。 初期観測成果 (反射星雲IC4954および渦巻き銀河M81の赤外線画像) 「あかり」蓋あけオペレーション成功! (2006年4月)「あかり」が目を開けました! 「あかり」は姿勢制御に使われる太陽センサーのトラブルへの対策のため、望遠鏡の蓋(アパーチャリッド)を開けるのを遅らせてきましたが、ようやく実行することになりました。 オペレーションは、4月13日の日本時間夕刻に行われました。鹿児島の内之浦局での通信中に、望遠鏡の蓋を押さえている留め金を結んでいるワイヤーが切断されました。直後、FIS のシグナルが急激に小さくなったことから、暗い夜空を見ていることが確認されました。 一周回後に地上に降ろされたデータからは、焦点面星センサー(FSTS)で多くの星が受かっていることが確認され、また FISのデータからも一目見て銀河面(天の川)を通過していることが分かりました。 蓋あけを機に、「あかり」は評価観測フェーズに入りました。現在、FIS, IRCともに健康な状態で、まだ調整が完全ではないものの、すばらしいデータが得られつつあります。評価が終わり、最初のデータを皆さんにお見せできるようになるまで、もうしばらくお待ちください。 写真:無事に蓋あけを終えた、喜びの内之浦運用チーム あかり (ASTRO-F) 打ち上げ!! (2006年2月22日)ASTRO-F衛星を搭載したM-Vロケット8号機は2006年2月22日6時28分(日本標準時)に鹿児島県にある内之浦宇宙空間観測所から打上げられました。衛星は近地点高度約304km、遠地点高度約733km、軌道傾斜角98.2度の初期軌道に成功裏に投入されました。 打ち上げ後、ASTRO-F衛星は「あかり」と命名されました。
写真:M-V-8号機打ち上げ ASTRO-F M-V ロケット3段目と結合 (2006年2月)内之浦宇宙空間観測所で打ち上げの準備が進められている ASTRO-F は、衛星単体での試験を順調に終え、1月28日にM-Vロケット8号機の3段目と結合されました。結合後の動作チェックでも問題はなく、この後いよいよノーズフェアリングが被されてロケット1、2段目の上に載せられます。
写真:M-V ロケット三段目に載せられた ASTRO-F ASTRO-F フライトオペレーション始まる (2006年1月)ASTRO-F は、相模原キャンパスでの衛星試験を終了し、鹿児島県肝付町(旧内之浦町)にあるJAXA内之浦宇宙空間観測所に運ばれました。打ち上げに向けたオペレーションは2005年12月27日から始まりました。29日には、クリーンルーム内に設置された衛星に輸送後初めて電源を投入し、管制装置を通じて機能チェックを行いました。衛星は相模原での最終状態と変わらず、健全であることを確認しました。 年末年始を通して、冷凍機や推進装置のメインテナンスが行われ、1月10日よりいよいよ衛星全体でのフライトオペレーションが本格的に始まります。
写真1:相模原キャンパスで、トレーラに積み込まれるASTRO-F衛星のコンテナ。
写真2:内之浦でコンテナから取り出される ASTRO-F。 熱真空試験無事終了 (2005年10月)ASTRO-F は衛星総合試験の最後の山場「熱真空試験」を無事に終えました。試験は10月1日から16日までの約二週間、24 時間体制で続けられてきました。 熱真空試験は、宇宙空間の過酷な環境で衛星の各機器の温度が正しく保たれ、機能することを確認するために行います。衛星を丸ごと巨大な真空容器 (チェンバー) に入れ、内部を真空にした上でチェンバーの壁全体を液体窒素で冷却したり、衛星の各部分や傍らに設置されたヒータで熱を加え、宇宙空間での環境を再現するように工夫します。 試験の結果、衛星の各部分の温度はほぼ予想通りの状態にコントロールされ、各機器が正常に動作することが確認されました。実運用に向けた細かい問題点が洗い出され、これから打ち上げの間に改善していきます。 熱真空試験が無事に終了したことで、ASTRO-F は打ち上げに向けてまた一歩進みました。
写真1:熱真空試験を終え、チェンバーから取り出されたASTRO-F。試験のために設置された温度計やヒーターの配線が見えている。 ASTRO-F 公募観測募集中 (2005年10月)ASTRO-F は、広く天文コミュニティからの観測提案を募集しています。提案は2005年11月18日まで受け付けています。 今回公募するのは、Phase 2 と呼ばれる期間の観測です。日本と韓国、及びヨーロッパにそれぞれ総ポインティング観測機会の 20 %と10 % が割り当てられます。公募観測に関する詳細は観測者 Web ページ (日本、韓国向けは http://www.ir.isas.jaxa.jp/ASTRO-F/Observation/) をご覧下さい。 観測公募に際して、イギリス、スペイン、韓国、日本の4箇所で説明会を行いました。いずれも20--50人の参加者があり、ASTRO-F による観測への興味と期待を感じました。
写真2:スペイン (European Space Astronomy Centre) におけるASTRO-F 説明会
写真3:日本天文学会秋季年会で行われたASTRO-F 説明会 ASTRO-Fの衛星試験は順調 (2005年7月)ASTRO-Fの衛星総合試験が順調に進んでいます。5月には衛星を打ち上げとほぼ同じ装備にして振動試験が行われ、総ての機器が試験後も正常に動作することを確認しました。 ここでは、やはり望遠鏡システムの強さに注目が集まりました。我々は、6月下旬に望遠鏡・観測装置が組み込まれているクライオスタット(冷却真空容器)の蓋を開け、昨年10月に行われたのと同じように、望遠鏡をのぞき込んで光軸の向きをチェックしました(写真1)。その結果、一連の振動試験の前後で問題となる「ずれ」は見つからず、望遠鏡は打ち上げに十分な強度を持っていることが確認されました。 現在、クライオスタットの蓋は再び閉じられ(打ち上げまで、もう望遠鏡と観測装置を見ることはありません)、今後の試験に備えて装置の冷却の準備が進められています。 一方、衛星の機器や装備から、打ち上げ後に宇宙で不純物を含んだガスがしみ出て、装置に悪い影響を与えないように、「ベーキング」という作業が行われました。これは、衛星全体をスッポリ格納する施設(真空チェンバー)に入れ、約50℃に暖めながら真空に引き、不純物ガスを強制的に絞り出すというものです。写真は、チェンバー(我々は「お釜」と呼んだりします)に納められる衛星と、付属の部品です。ベーキングは約一週間かけて行われ、きれいになった衛星は無事クリンルームに戻りました。なお、観測装置と冷却容器は既にベーキングが行われていましたので、今回は参加しませんでした。
写真1:望遠鏡(右)をのぞき込む測定装置。望遠鏡の光軸を正確に測定しているところ(撮影: NIKON)。
写真2:衛星本体が、ベーキングのため真空チェンバー(お釜)に納められているところ。衛星を載せた台がせり上がって、上部に見える容器の中に入っていく(撮影: NTSpace)。 「ASTRO-F説明会 〜観測公募に向けて」開催 (2005年3月)日本天文学会春季年会(於: 明星大学)の特別セッションとして、ASTRO-F説明会が開催されました。これは、9月に予定されている一般公募観測の募集に先立ち、ASTRO-Fの観測やプロジェクトの現状について、広く天文関係者に知って頂くことを目的としていました。 年会初日の3月28日18時30分より行われた説明会では、遅い時間にもかかわらず、主催者の予想を大幅に上回る100名近くの参加者があり、日本の天文コミュニティのASTRO-Fへの熱い期待を感じました。 この期待に応えられるよう、打ち上げに向けてプロジェクトチームのメンバー一同、がんばっていきたいと思います。
フライト構成の観測系機器試験が無事終わる (2005年1月)2004年11月末から2005年1月初めにかけて、ASTRO-Fの観測系機器の開発にとって、大きな山場となる試験が立て続けに行われました。まず、フライト構成に組み上げられて初めてとなる観測装置の試験が、住友重機械工業新居浜事業所で行われました。冷却系機器も観測装置も正常に働き、組み立てに問題ないことが確認されました。さらに1週間以上かけて、装置の性能を評価するための様々な測定が行われました。装置の状態は、単体試験時と比べてもさらに良好だと言うことです。さらに詳しいことは、現在も続けられているデータの解析を待たなければなりません。 試験を終えた観測系機器一式は直ちに宇宙研に移送され、打ち上げと同じように液体ヘリウムで冷却した状態で、振動試験にかけられました。この試験が終わったのは、年末も28日の夜。正月をはさんで年明け早々の1月6, 7日には、再び観測装置の電源を入れて、動作確認をしました。振動試験中も、その後の動作試験も全く問題はなく、ASTRO-Fの観測装置は、打ち上げの振動に対して十分に頑丈であることが確かめられました。 一連の試験の成功で、観測装置開発は、大きな山を越えたといえるでしょう。
写真1:性能評価試験中の観測系機器。クライオスタットの「ふた」部分に液体ヘリウムを流して冷却し、赤外線で「暗い」状態を作り出している
写真2:振動試験中のASTRO-F観測系機器 望遠鏡横転測定 (2004年10月)ASTRO-Fの望遠鏡を、真空容器の上側からのぞいた珍しい光景は、10月1日から約一週間行われた、望遠鏡光軸測定試験の際に撮影されました。昨年来続けられた望遠鏡の不具合改修は、無事に完了しましたが、これまでの反省を生かし、今後行われる冷却振動試験の際には、望遠鏡が無事であることを確認する試験を行うことにしました。この試験は、真空容器を横倒しにしてふたを開け、望遠鏡の光軸が正しく保たれているかを、約1/200度の精度で測定する、大変大がかりなものです。今回行われたのは、試験の手順確認をかねて、「振動試験前」の基準データを取得するものでした(写真 1)。試験は無事終わり、良いデータが得られました。写真 2は、望遠鏡を通して眺めた焦点面装置です。中央右下にIRCの検出器が、左上にFISの光の入り口(シャッターが閉まっている) が見えます。左下、右上は焦点面スターセンサーです。 本番の測定は、来春に行われます。
写真1:真空容器ごと横倒しにされた望遠鏡
写真2:望遠鏡を通して見た焦点面 ASTRO-F望遠鏡の評価試験 (2004年7月)ASTRO-F望遠鏡改修の最終段階となる冷却振動試験が、6月28日〜7月1日に宇宙研で行われました。試験後の常温における面形状検査、超音波探傷によるパッド接着部のクラックの検査のいずれでも、望遠鏡に異常は認められませんでした。従って、望遠鏡は今回の冷却振動試験に合格したことになります。
続いてASTRO-F 望遠鏡の極低温での性能を評価するための試験が行われました。試験では望遠鏡を 9K 程度まで冷却して、焦点位置などに関する詳細なデータを取得しました。
FPI総合試験が終了 (2004年7月)IRC、FIS の二つの観測装置(FPI)の最終性能評価試験(FPI総合試験)が、6月上旬から7月31日まで、3回の冷却サイクルにわたって行われました。 試験期間中には、不具合が見つかった中間赤外線カメラ(MIR-S)検出器モジュールの交換などがありましたが、最後の試験を終えた現在、観測装置はほぼ満足のいく状態に仕上がりました。今後最終組み立て作業を経て、望遠鏡と共に住友重機械工業(株)新居浜事業所に移送、クライオスタットへのインストールが行われます。次回、装置の電源を入れるのは11月になります。 新FM主鏡決まる (2004年3月)ASTRO-F望遠鏡の改修にともない、バックアップ用に用意していた主鏡材の研削 ・研磨が行われてきました。3月上旬に無事研磨が完了し、この新しい鏡が今後 のフライトモデル(FM)として用いられます。これに伴い、望遠鏡の有効口径が 約 69 cmと、これまでより 2 cm大きくなって、当初の設計値 70 cm に近づき ました。 今後、新設計のパッドの接着など望遠鏡として組み上げた後、冷却試験を行い、 フライト状態における総合性能を測定します。この際にも、これまでの経験を 生かして、熱歪みなどの影響が最小になるように細心の注意を払って作業を進 めていく予定です。
上:表面、下:裏面
姿勢系評価試験終わる (2004年3月)1月中旬より続いてきた、二回目の姿勢系装置の評価試験が、3月19日を もって終了しました。この試験の主目的は、打ち上げが夏期になった場合に も、衛星の姿勢制御が正しく行われることを確認することにありましたが、 それ以外にも姿勢系としての性能評価をこれまでよりさらに詳細に行いまし た。試験の結果、初期運用、定常運用ともに打ち上げ時期が変更されても正 常に制御されることが確認されました。取得したデータは今後詳細に解析、 検討を行うことにしており、5月を目処にレビューを行う予定です。
総合試験の前半が終了 (2003年11月)ASTRO-Fの衛星総合試験が、2003年4月から行われてきました。この試験では、衛星の最終組み立てと調整、各装置毎の入念な動作チェックを経て、10月末には打ち上げ・観測を模擬した運用リハーサル試験が行われました。この間、細かい不具合や問題点が発見され、改修や再調整が行われました。総合試験開始後に起きた望遠鏡のトラブルにより打ち上げが延期になったため、観測装置を除く衛星バス部の試験は、2003年11月7日に行われた反省会をもって、いったん中断しました。現在、衛星は組み立てられた状態でクリーンルームに保管されており、再開は2004年12月頃の予定です。この間、各装置の改修やさらなる性能向上に最大限の努力を払い、万全の体制で打ち上げに望みたいと思います。 写真1: クリーンルームで保管状態のASTRO-Fバス部 (11月10日) 写真2: 総合試験前半期反省会の様子(11月7日) 第4回 観測機器低温評価試験 -FEC#4- (2003年8月)観測機器低温評価試験 (FEC - FPI evaluation test in cryostat) が愛媛県新居浜市にある住友重機(株)の工場内にて行われました。4回目の試験となる今回は、ほぼ打ち上げ時と同じ状態で、それぞれの装置が他の装置の動作に影響を与えないかどうか、などの詳細な調査を行いました。写真の左側に写っているのが望遠鏡や検出器などが収められているクライオスタットです。
MP4開催(2003年6月9-11日)ASTRO-Fの主要な観測計画は、打ち上げの前に、国内外の研究者によりミッション・プログラム(MP)としてまとめられます。このミッション・プログラムを議論する第4回目の研究会(MP4 Symposium)が相模原の宇宙科学研究所で開催されました。
ASTRO-F衛星総合試験(2003年4月21日)現在、ASTRO-F衛星総合試験が行われています。写真は宇宙研のクリーンルーム内で組み立てられた衛星下部(バス部)です。周囲を覆っているソーラーパドル(太陽電池)は打ち上げ後に展開されます。
頭胴部仮組み試験(2003年3月)群馬県にある工場で、頭胴部仮組み試験を行いました。これはロケットに衛星が設計どおり搭載できることを確かめる試験です。衛星はM-Vロケット3段目の上に載せられ、その周りをノーズフェアリングで覆います。
データ処理に関する打ち合わせ(2003年1月22-23日)イギリスのサセックス大学(University of Sussex)において、日本をはじめ、韓国、イギリス、オランダから研究者が集まり、ASTRO-Fのデータ処理に関する会議を行いました。
ESAとの作業内容打ち合わせ(2002年11月26-29日)ESA/ISOデータセンターの、Salama, Gry, Garcia-Larioの3氏が宇宙研を訪問し、ASTRO-Fのヨーロッパでのユーザーサポートと、サーベイ観測データの位置決定に関する、作業内容について集中的な議論を行いました。
一噛み終了(2002年9月9日)一次噛み合わせ試験を終了した観測装置が、衛星から取り外されて、宇宙研に戻ってきました。これから来年の初めまで、性能を最大限に発揮するための改良・調整が行われます。
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