AOT01の高分解能リダクションについて(1998/04/26)


AOT01モードでは、Gratingを常に動かしながらデータをとっています。 通常、speed 1では1秒に一回、それ以外では2秒に一回リセットが入り、 その間のデータを「1サンプリング」として取り扱っています(当然 Gratingの動く速度が違うために、各speedでは分解能が違います)。

このサンプリングの間隔を短くすることで、原理的には高空間分解能を達成する ことが可能です。この機能が、試験的にIAに組み込まれました。

実際には、ERD->SPDの変換を行なうプログラム、dspd.proの secoutパラメータを与えることで行ないます (したがって、リダクションはERDから始める必要があります)。 secoutは1秒あたりのサンプリングの数を与えるもので、例えば speed 2-4の場合は標準で2秒に一回のサンプリングですから、
secout = 1 : 標準の分解能の2倍
secout = 2 : 標準の分解能の4倍
secout = 4 : 標準の分解能の8倍
の分解能を達成することが出来ます(1,2,4以外の値は無効)。

stdaaの場合には、
stdaa, 'name', erd='xxxxxxxx', /highres, secout=?
のように、/highresフラグと、secoutパラメータを組み合わせて 使います。secoutパラメータが省略された時(/highreフラグのみ)には、 AOT06に相当する分解能になるように、secoutが内部で与えられます。

ただし、

  1. 当然のことながら、1サンプリングあたりの露出時間が短くなるので、 S/Nで損をします。
  2. 積分式検出器の非線形性などのため、必ずしも予期された性能が 達成される訳ではありません。実際に、山村がいくつかのデータで 試してみたところでは、band=1で、2倍の分解能にするのがせいぜいだと いう感触でした。特にspeed=1のデータは、もともとのサンプリング間隔が 短いので、注意するべきです。
繰り返しますが、 このオプションは、試験中で無保証のものであることに十分ご注意下さい。
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