AOT02で発見された微小な波長のエラーについて(1998/02/07)


最近のSIDTの解析で、Calibration天体として観測された惑星状星雲の AOT02のスペクトルにおいて、ラインの波長が微妙に(しかしsystematicに) ずれていることが発見されました。

原因を詳しく調べたところ、この解析が、各ラインをGaussianでFitして その中心波長を見ていたのに対し、波長calibrationの時には、各ラインの 単純なピーク位置を元にして行なっていたためであることが分かりました。

SWSユーザーの多くがラインをGaussian Fitするであろうことを想定して、 波長calibrationのパラメータを訂正することになりました。新しいcalibration パラメータがリリースされ次第、追ってお知らせします。

ただし、予想されるようにこの差は非常に微小なもので、実際上はほとんど 無視できるくらいのものです。特にresolutionの低いAOT01のデータでは 全く問題にならないものと思われます。


付記(1998/04/26)


新しい波長cal.ファイルを使って、リダクション(ERD->SPDを行なう必要がある) を行なったところ、SIDTの一部から報告されていたように、フリンジの 減少が見られました。特にband 3Dの長い側ではほとんど消失する場合も ありました。したがって、AOT02だけでなく、01や06に関しても、一度 ERD->SPDのリダクションをやり直されることをお勧めします。stdaaを 使っている場合には、デフォルトで新しいcalibrationファイルを使う ようになっています。

なお、現在Vilspaですべてのデータをこのcalibrationを採用した パイプラインVer.7で処理中で、逐次CD-ROMが送られてくるはずです。


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