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「あかり」小惑星カタログ論文が「日本天文学会欧文研究報告論文賞」を受賞

2011年10月に発表された臼井文彦氏(当時宇宙研所属)他の論文が、「日本天文学会欧文研究報告論文賞」を受賞しました。この賞は、過去5年以内に日本天文学会欧文研究報告(Publications of the Astronomical Society of Japan)に出版された論文のうち、独創的で天文学分野に寄与の大きい、特に優れた論文の著者に与えられるものです。

小惑星は、これまでの70万個近く発見されていますが、その性質については、直径という最も基本的なことでさえほとんど分かっていません。臼井氏らは、「あかり」中間赤外線全天サーベイデータを用いて、小惑星5120個の直径を精度よく決定し、カタログをつくりました。1年4ヶ月にわたって連続的に観測を行った「あかり」のデータによって、2天文単位より遠い小惑星帯をもれなく観測し、小惑星帯の総質量の98%以上を占める20km以上の天体を網羅することができました。この論文の被引用件数は2016年3月18日現在56件あり、カタログは既に6000件以上ダウンロードされています。このカタログを基にした研究成果も続々報告されています。

今回の受賞は、臼井氏ら研究グループの独創性と努力の結果であるとともに、「あかり」データの優位性を示すものだといえます。

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市川隆日本天文学会会長から表彰される臼井氏。
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